唯我独輪 ゆいがどくりん
自分の自転車が一番素晴らしいと、うぬぼれる。自分が一番健脚だと、うぬぼれる。
いるんだよな、こういう人物が…。
サイクリング大会やレースで、自分の自転車がどんなにスゴいか、を、とうとうと述べる奴。
レース会場の駐車場で、つねに話題の中心になっていないと、気が済まず、部品のチョイスの話なんかになると、自説を絶対に曲げない奴。
ツーリングなのに、いつのまにかレースモードになってしまい、坂道などで、シャカリキになって、峠の頂上を目指す奴。
ツーリングイベントで、若いのに、ニッカボッカかなんか履いて、アレックスサンジェのようなマニアックな自転車で参加してくる、フランスかぶれのアマノジャク。
みーんな、「自分こそ、世界でオンリーワン…」の、勘違い。
まあ、誰だってプライドは、もちろん、あるでしょう。皆でつるんでなきゃ、淋しくて走れないくせに、ひとよりも少しだけいい機材をもっている、人よりも少しだけ速く走れるってことに、ささやかな優越感を感じるひとも、多いのでは…。
それが悪いって、云ってんじゃない。人間とはそういうもんだ、と云ってるだけ…。
また、世の中には、孤高のソロツーリストも、大勢いるはず。我一人、我が道を行く。素晴らしいことです。
そんなひとたちも、ある意味で、唯我独輪、と云えそうです。もちろん、良い意味で…です。
出典:唯我独尊(ゆいがどくそん)「長阿含経」
もとは、この世界に自分より優れた者はいないという意。転じて、自分が一番偉いと、うぬぼれる態度をいう。